高級アルコール系シャンプー剤編
【石油系界面活性剤】ここが危ない

高級アルコール系シャンプーとは?
石油・植物・動物の油脂から作られる合成界面活性剤を使用したシャンプーのことを、高級アルコール系シャンプーといいます。
縮毛矯正シャンプー剤

主な高級アルコール系(石油系)原料名

□ラウリル硫酸Na
□ラウレス硫酸Na
□オレフィン(C14-16)スルホン酸Na
□スルホコハク酸(C12-14)パレス-2Na
原料が石油でも天然油脂でも、名称や役割に変わりはありません。

ラウリル硫酸Naについて

乳化剤【界面活性剤)や発泡剤、洗浄剤として使用されます。主な使い方は、歯磨き粉、シャンプー、リキッドファンデーションや、医薬品では薬・サプリメントのカプセルなど、工業用としてはエンジンの油落とし洗剤、洗車用洗剤などの多く用途に使用されている合成化学物質ですが人体に関しては注意が必要です。皮膚に対して浸透性と洗浄効果が高い為にどうしても皮膚や眼などに炎症を起こす可能性があります。

ラウレス硫酸Naについて

こちらもラウリル硫酸Naと同じくシャンプー、歯磨き剤、起泡剤、業務用洗剤など様々なものと馴染ませやすくするための乳化剤【界面活性剤)として広く使われています。
皮膚に対しての浸透性や洗浄効果が高い為どうしても皮膚や毛髪の油脂や汚れを分解落とす事が可能ですが頭皮や毛髪に必要以上に負担をかけてしまい易いのがデメリットになります。

□オレフィン(C14-16)スルホン酸Na

石油系界面活性剤ではないが、ラウレス硫酸Naと同等
食器用洗剤といえばAOS、といわれるくらいメジャーに使われている界面活性剤です。石油系というよりヤシ油系ですが、特徴はラウレス硫酸ナトリウムとほぼ同じ。少し生分解性が良いという特徴がありますが、脱脂力ではラウレス硫酸ナトリウムを上回るとも台所の食器汚れに負けない強い起泡性が特徴です。酸性領域でも優れた洗浄力を持つのが特徴

安定性と起泡性、洗浄力が優れる界面活性剤ですが、肌や髪を洗うには脱脂力が強くラウリル硫酸Naほど肌に浸透こそしにくいものの、肌や髪の表面をごっそり一掃するような強洗浄タイプのため、頭皮・毛髪がバサバサ、突っ張る様になりやすいです。

肌が弱い、髪がダメージしている場合はだめそもそも落としたい汚れがある場合にのみ選ばれるべき洗浄剤でしょう。ワックス系の整髪料や、油汚れが多い、皮脂が過剰に分泌されるといったケースでは役立ちますが、汚れが少ない状況では肌バリアが一掃されてしまうので、乾燥肌や肌荒れなどのトラブルを招きかねません。

スルホコハク酸(C12-14)パレス-2Na

ヤシと石油から作られる無色か淡い黄色の液体で、かすかに独特な香りを持ちます。
スルホコハク酸自体はそれほど洗浄力が強くありませんが、泡立ちが良いという特徴があります。
そのため、洗浄力のある他の界面活性剤と組み合わせて使用されることが多い成分です。
スルホコハク酸(C12-14)パレス-2Naもその一つで、洗浄力・泡立ちともよくなっており、しかもそれほど刺激がありません。
アミノ酸系より洗浄力と泡立ちがよく、皮膚に対する刺激は中程度なので、よく汗をかく人やハード系のスタイリング剤を使用している髪、脂性の肌に向いています。

また、低刺激を謳うシャンプー剤の洗浄力を増すため、あるいは逆に洗浄力や脱脂力が強すぎる成分の働きを弱めるために配合されることも多い成分です。
スルホコハク酸(C12-14)パレス-2Naの安全性は?
界面活性剤の中では刺激は弱いほうで、ヤシ由来なので安全性もそこそこ高く、目に入ってもそれほど問題はないとされています。
また、ベビーシャンプーやマイルド系シャンプーにも配合されています。
しかし、単独で使用されることはほとんどないため、他の界面活性剤によっては肌に強い刺激を与えることがあります。
スルホコハク酸(C12-14)パレス-2Naの役割は?
洗浄力が強くさっぱり洗い上げるので、スカルプシャンプーやさっぱり系の洗顔料などに配合されます

【耳よりpoint】

□たとえば台所用洗剤いかがでしようか?一滴で油分解などTVなどではCM流れていますが内容は同じです。もしも髪を洗うと軋んでどうにもならなくなります。ふけは出るし髪は軋む・頭皮がガサガサにもちろんシャンプー剤の中にはコンディショニング剤がある為(以前はシリコン)軋みませんが洗浄力は変わりません。
□現在もドラッグストアなどで売られるシャンプーのほとんどは高級アルコール系シャンプーに分類されます。
□発泡性と油分の分解・馴染みやすさと価格が安価で大量生産が容易な為に非常に多くの製品に採用されています。

シャンプー剤の汚れ落としのメカニズム

下の図がシャンプー時の界面活性剤の働きになります。
矯正後のシャンプー剤
□毛髪、頭皮についた油汚れに対して「アニオン系界面活性剤」の【親油基部分】が吸着し汚れを取り囲みます。
□汚れを吸着し毛髪や頭皮から汚れを浮かします。
□シャワーでお水を頭皮にかけると【親水基は水となじみ親油基は油汚れ】をつかんだまま水と一緒に流されます。
□ただ洗うだけでは毛髪は刺激を受けたままになりますので以前はシリコンを大量に入れていた訳です。
□もしも界面活性剤の刺激が少なく洗えるのならば髪への負担もなくなりますそこで刺激の少ない界面活性剤がアミノ酸系になるわけです。

【共通している最大のメリット・デメリットのまとめ】

□油汚れがしっかりと落としやすい。(ワックス・アウトバストリートメントetcの除去しやすい)
□頭皮・毛髪には刺激がある/浸透性が高い(毛髪内部成分を流失しやすい)
□安価で購入可能(量が多く手頃に)